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全国発明表彰「21世紀発明奨励賞」受賞

Key Word : 全国発明表彰

「世の中の役に立てた喜び」―― 全国発明表彰「21世紀発明奨励賞」受賞の糸﨑秀夫 名誉教授

 安全・安心に、そして快適に飛行機に乗れるのは、この発明のおかげ――「令和元年度全国発明表彰」(公益社団法人発明協会主催)において「21世紀発明奨励賞」を受賞した糸﨑秀夫・本学名誉教授の「近赤外光による液体爆発物等の検査技術の発明」は、それほどに画期的なものです。
  2005年ロンドンの同時多発テロにおいて液体爆発物が用いられたことから、国際線では液体物の持ち込みが規制されています。これは、従来の検査装置では液体爆発物が検知できなかったためです。また国内線においては、従来から可燃物液体の検査が実施されていたものの、液体爆発物については検査未実施であり、それを検査する装置の開発が強く望まれていました。
  糸﨑 名誉教授の発明は、可視光よりわずかに波長の長い近赤外光を利用することにより、ボトルに入った液体の検査を瞬時に可能とすることができるようになりました。近赤外光は多様な液体に対して、それぞれの液体に特有の吸収特性を有するため、液体を透過した光を分光器によりそれぞれの液体に特有のスペクトルとして取り出すことができます。また、多様な液体のスペクトルをデータベース化しておくことにより、検査対象液体のスペクトルと比較検討することで、検査液体の内容物を特定することができます。
  検査は、ボトルを開封することなく、装置にかざすだけで数秒以内に液体を判定することができます。この技術は、航空関連の欧州 44か国が加盟する欧州民間航空機関(ECAC)の認証を、日本で初めてかつ唯一受けて、国際的にその利用が認められています。
  大阪大学で研究開発された後、株式会社 熊平製作所において製品として開発販売されています。国内のみならず、海外の一部空港でも利用されていて、テロ対策として安全安心の社会構築に大きく貢献しています。

 全国発明表彰は、創設 100年となる大きな節目。表彰式は 6月10日にホテルオークラ東京で、発明協会総裁である常陸宮正仁親王殿下ご臨席のもと開かれ、各賞受賞者などが参加しました。本学からは、糸﨑 名誉教授、奈緒美 夫人、そして「21世紀発明貢献賞」を同時受賞した西尾章治郎 総長の代理として、金田安史・産学共創本部長が出席しました。
  野間口有・協会会長が「 100年の歴史のなかで、多くの発明が科学技術、産業の発展に貢献してきました。グローバル化がますます進むなか、独創的なイノベーションの創出が極めて重要になっていきます」とあいさつ。糸﨑 名誉教授、金田 本部長それぞれに表彰状が授与されました。
  その後の懇親会では、受賞作品が展示されて、多くの参加者が装置に関心を示していました。

 今回の発明は、文部科学省の安全・安心科学技術プロジェクトに沿って、研究のスタートと同時に特許を出願し、試作品の完成などの成果が得られたものの、パートナーとなる企業がなかなか見つからないなど、実用化まで 10年を要しました。その苦労も積んだだけに、今回の受賞で糸﨑 名誉教授の喜びはひとしおでした。「研究に協力してくれたスタッフ、学生たち、そして市場も見通せないなかで製品化してくれた 株式会社 熊平製作所に感謝したい。研究成果を残せただけでなく、世の中の役に立つ発明につながったことが、本当にうれしい」とおっしゃっていました。

 

糸﨑 秀夫(いとざき ひでお)
PhD(Northwestern University)。大阪大学工学部精密工学科卒業、住友電気工業株式会社伊丹製作所電子材料研究部長、(独)物質材料研究機構超伝導材料研究センターディレクターなどを経て、2004年大阪大学大学院基礎工学研究科教授、2016年大阪大学名誉教授。
 専門は、高温超伝導量子干渉素子による極微小磁気計測、MHz帯電波を用いた核四極共鳴による爆発物探知、近赤外分光による液体爆発物検査など「センシングテクノロジー」。

受賞リスト
1992年 学術振興会第146委員会賞 受賞
1992年 International Workshop on High-Temperature Superconducting Electron Devices The Most Impressive Presentation 受賞
1997年 1997 International Workshop on Superconductivity The Workshop Material/Product Performance Award 受賞
2000年 未踏科学協会 超伝導科学技術賞 受賞

表彰状を手にする西尾章治郎 総長(左)、盾を手にする金田安史 産学共創本部長(右)

「21世紀発明奨励賞」を受賞した糸﨑秀夫 名誉教授と奈緒美 夫人

表彰状と盾を授与される糸﨑秀夫 名誉教授(右側奥)と金田安史 産学共創本部長(同手前)

液体爆発物を検査する装置(株式会社 熊平製作所 製)
薬品を検知すると赤いランプで警告し、飲料水などなら青いランプがつく。

 近赤外光を用いた液体爆発物検査装置の原理図

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